今、映画「ジョーカー」が大ヒットしています。
私も先日ついに観ることができました。一言でいうと、めちゃくちゃ面白かったです。
ただ、この面白さの理由は何なのか、考察する記事も出ていますが、独自の視点でジョーカーについて語りたいと思います。
- 映画「ジョーカー」の面白さから考える悪役誕生の映画が面白い理由【悪役の圧倒的存在感に人は浸る】
- 人(視聴者)は自分よりも幸せな状況よりも不幸な状況に共感(同情)しやすい【ジョーカーの面白い秘密】
- いつの間にか観客はジョーカーの味方となり、ヴィランはヒーローに変わる
- まとめ:映画「ジョーカー」は「アーサー」に同情し、彼の存在を受け入れることで、視聴者にとって「ジョーカー」はヒーローに変わる心理誘導がとてもうまくできている
映画「ジョーカー」の面白さから考える悪役誕生の映画が面白い理由【悪役の圧倒的存在感に人は浸る】
まず、ジョーカーとはDCコミックスのバットマンに登場するヴィラン(敵)です。
今回の映画では、とある不幸な青年アーサーが、悪役ジョーカーになるまでの話が描かれており、バットマンは出てきません(ブルース・ウェインは出てきますが子供です)。
自分は映画「ジョーカー」を見て、以下のように思いました。
人は人間の闇に共感(同情)しやすい、だから悪役の誕生物語はヒーローの誕生物語よりも面白くなる
さらに言うと、普通の人間から悪の道に行くような悪役は特に面白い感じがします。
人気児童向けアニメ「アンパンマン」で例えると
アンパンマンがアンパンマンになったストーリーよりも、バイキンマンがバイキンマンになったストーリーのほうが興味がわく
のは私だけでしょうか。
人(視聴者)は自分よりも幸せな状況よりも不幸な状況に共感(同情)しやすい【ジョーカーの面白い秘密】
人は「幸せな出来事」よりも「不幸な出来事」をよく覚えています。
ほかの言い方にすると、人は「成功した記憶」よりも「失敗した記憶」のほうが強いのです。例えば、10回何かを試したとき、9回成功しても、その中で起きた1回の失敗の印象が強くなるのです。そして、またその1回が起こることを人間は恐れるのです。
おそらく、これは生物の生存本能によるものではないかと自分は推測しています。
1回の失敗で死ぬこともあるかもしれないので、失敗に対して敏感になるように人間はできているのだと。
さて、話が少しそれましたが、これは「幸せな出来事」と「不幸な出来事」にも同じことが言えるのです。
映画の中の他人の出来事だとしても、人は「幸せな出来事」よりも「不幸な出来事」の方が強くインパクトが残るのです。そして、それにより自分よりかも不幸な映画の中の「ジョーカー」への同情を加速させるのです。
おそらく、ジョーカーよりも不幸な人にとっては映画「ジョーカー」が楽しくないと思います。なぜなら、自分より幸せだから記憶に残らないからです。
まあ、今回のジョーカーが「幸せ」に見える人なんてそうそういないと思いますが……。
いつの間にか観客はジョーカーの味方となり、ヴィランはヒーローに変わる
ヴィランは悪役です。しかし、その悪役の生い立ちに同情すればするほど、観客は「ジョーカー」の味方になります。
そして、「ジョーカー」がヴィランとなったとき、人はまるでヴィランがヒーローになったかのように高揚感が最高潮になります。
そう、実際に私は「アーサー」が悪役「ジョーカー」になったあのシーンがとても好きです。まるで、「ジョーカー」がヒーローになったかのように興奮しました。
まだ見てない人は、ぜひ楽しみにしていてください!
まとめ:映画「ジョーカー」は「アーサー」に同情し、彼の存在を受け入れることで、視聴者にとって「ジョーカー」はヒーローに変わる心理誘導がとてもうまくできている
最後のまとめですが、
映画「ジョーカー」は「アーサー」に同情し、彼の存在を受け入れることで、視聴者にとって「ジョーカー」はヒーローに変わる心理誘導がとてもうまくできている
なので、映画「ジョーカー」はとても面白いのです。
もしかしたら、「トラウマ映画の心理学」という本に書かれている内容が近いのかもしれません。
いやぁ、今年1番面白い映画でした。
最後の演出も見ものだったのですが、その考察はネタバレありの他の記事でご紹介したいと思います。