DELPINOTE-とあるゲームディレクターの不思議な日常-

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今のままだと日本のスマホゲーム(アプリ)は衰退します【現役ゲームクリエイターの提言】

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みなさん、スマホでゲームをしたことはありますか?

おそらく、この記事を読んでくれている方はパズドラモンストツムツム・ポケモンGOの中で一つはやったことあるゲームがあると思います。

ゲーム業界の人なら薄々気づいていることがあります。勘が良いゲームユーザの方も感じているかもしれません。なので、最初にはっきり言います。

今のままだと日本のスマホゲームは衰退します

理由は3つです

  1. 製作費の拡大および製作期間の長期化
  2. 新規のオリジナルゲームが当たりにくくなっている
  3. 日本企業のマーケティング力不足

これらの理由について、順を追ってご紹介していきたいと思います。

 

黒猫くろの。について

最初に私について簡単に経歴を紹介します。

ゲーム業界で働き始めてそろそろ9年目になる31歳の大卒ゲームクリエイターです。

現在は、とある月商1億円前後のスマホゲームのイベントディレクターの一人として、新規イベントのディレクション・プラニングを担当しています。

 

 

今のままだと日本のスマホゲーム(アプリ)は衰退します【正直、昔に比べてコストが高くなっている】

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製作費の拡大および製作期間の長期化

スマホゲームが衰退する理由の一つ目は製作費が年々高くなっていることです。

 

なぜ、年々製作費が上がっているかというと、ユーザがよりリッチなゲームを求めるようになってきていることもありますが、それ以上にゲーム企業自身がリッチなゲームを求めるようになってきてしまっているからです。

 

面白いシステムを作るよりも、きれいな見た目・爽快なアクションを作る方が簡単ですからね。

 

スマホゲームは割とシステムを少し変えただけのものが多いのですが、今までにないようなシステムにガラリと変えることはとても大変なのです。

 

そうなると、何に時間を費やすかというと見た目・爽快なアクションという部分になっていきます。

 

例えば、ムービーを入れたり、キャラの見た目をよくしたり、気持ちよさを売りにします。

 

この方針は、決して間違ってはいません。

 

なぜなら、iPhoneやiPadなどiOS端末のAppStore、Googleが提供するGooglePlayなどのアプリストアではスクリーンショットや最近は動画でユーザにゲームを紹介し、ダウンロードしてもらえるため、上記に書いたような視覚で伝わりやすい訴求となりえる部分はとても大切だからです。

 

しかし、上記の部分に力を入れると何が起こるのかというと

  • 製作費の高騰
  • 製作期間の長期化

が起こります。ゲームシステムも複雑になるケースも多いです。

 

昔は製作費数百万円~3千万円で製作期間が半年ぐらいだった開発が、今では数十億円かかって製作期間が3年以上かかる開発タイトルもあります。

 

かつて、家庭用(コンシューマ)ゲーム機と呼ばれたファミコンと同じ歴史を辿っているのです。

 

もともと、スマホゲームが儲かる利点が

  1. 生活必需品のスマホでゲームが遊べる
  2. お手軽に楽しめる
  3. 製作期間・製作コストが少ないがリターンが高い

ということだたのですが、3つ目が崩壊してきているのです。

 

そうなると、どうなるかというと次の新規のオリジナルゲームが当たりにくくなっている話につながるのですが、製作費や外すことのリスクがとても高くなってしまうので、頻繁に新規ゲームをリリースできないし、体力がある企業しかゲーム製作ができなくなってくるのです。

 

体力がない企業は、かつてリリースしたゲームの中で好調なゲームを運用で回して、利益をどうにか上げていくことに注力するしかなくなり、その結果、市場が活発でなくなってくるので、徐々に衰退を始めます。

 

しかし、ある一定下がった後は停滞します、というかすでに多少停滞が始まっているかもしれません。

 

ゲームをするユーザ数には人口的にも限りがありますからね。

 

新規のオリジナルゲームが当たりにくくなっている

次の衰退理由は新規のオリジナルゲームが当たりにくくなっていることです。

 

この裏あるのは、ゲームの飽和です。

 

今、スマホ上には星の数ほどのアプリが存在していて、少し昔の話をすると、2011年頃はまだスマホアプリの創生期で、月900万円程度の売り上げでセールスランキングTOP100に入れてたのに、現在はTOP100に入るためにも月数億円の売り上げが必要になります。すごい世界だ……。

 

日本のゲームはイベント運用に力を入れていますので、そんなゲーム達を相手に何もせずにリリース後すぐ売り上げを立てるのは、本当に難しいのです。

 

なので、新規のゲームはその対策にどんなことをやっているのかというと、リリース前に広告宣伝を行います。

 

テレビCM打つこともありますが、今はもっぱらYouTube広告やWeb媒体での広告が中心ですね。そちらの方が効率が良いのです。

 

あとは、事前登録を一緒に促したりして、スタート時のユーザ数を確保することもあります。なんにせよ、お金がかかります。

 

前の項でも言いましたが、日本のスマホゲーム人口は有限です。新しい革命的なゲームが出ない限り増えません。そうすると、どうなるのか?

そう、ユーザの取り合いが始まります。

 

取り合いがあるということは、負けることがあります。

 

新規ゲームはユーザをほかのゲームから奪わないといけないのですが、運用が長く、成熟しているゲームが増えてきた昨今、少ない広告費では奪うことが難しいのです。

 

負けないためには莫大な広告費を投入するにはそれだけの企業の体力が必要です。そうなると、中小のゲーム会社は資金力の面で負けてしまいます。

 

そして、新規ゲームが売れなかったときに降りかかってくるのは、高い製作費・長い製作期間による人件費、そしてかけた莫大な広告費です。

 

どんどん会社が苦しくなるのです。

つらいですね。。。

 

あ、暗い内容が続いているので、先にお伝えしておくと、最後の章では明るい希望を話ますので安心して読んでください(できるかは保証しない)。

 

日本企業のマーケティング力不足

3つ目は日本企業のマーケティング力不足です。

やはり、海外から入ってきたゲームを見ていると、その点目を見張るものがあります。

  • クラッシュロワイヤル
  • 荒野行動
  • ホームスケイプ

とかですね。

 

クラッシュロワイヤルは、前身のクラッシュオブクランズを含め、とてもよくできたゲームなのですが、後者の2つ、荒野行動とホームスケイプは本当に広告マーケティング力の力だと思います。

 

だって、荒野行動は元々、PUBGの丸パクリでしたがロワイヤル型モバイルFPSゲームとして日本で先にリリースし、日本では本家よりも売れてますもんね。

 

ホームスケイプは、正直ゲーム内広告でよく見ることが多いのですが、よくわからない内容が多いですが日本国内でTOP30に入ってるんですよね。

 

正直、私が広告マーケティングについて弱いせいだとも思うのですが、よくわかんないんですよ!なんで、あのゲーム内広告でダウンロードされているのか……。

 

今はゲーム企業でもマーケティング部みたいのができたところは多いと思いますが、多くの企業は発展途上だと思います。ゲームの運営チームが兼任して担当しているところも多いと思います。

 

けど、やっぱこういうことは専門家を入れたほうがいいんですよね!片手間では無理!

 

マーケティングに力を入れることができれば、長期的に広告コストの削減にもつながります。

 

しかし、まだ日本企業は海外企業に比べてこの点が劣っているように、私は思います。

 

最後に、スマホゲームに未来はないのか?

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正直に言いましょう。

未来はあります

 

その未来は、同じ道をたどってきた家庭用ゲーム業界に学ぶことがいいと思います。

 

特に、任天堂に学ぶとよいでしょう。

 

家庭用ゲーム業界もかつて、何度も同じような障害にぶち当たりました。

 

そこでやってきたのは新しい市場の開拓です。

 

ゲーム人口がパンパンになってきた?なら新しい市場を開拓して、ゲーム人口を増やせば良いんだ。

という考え方です。

 

ゲーム人口が増えれば、それに応じてゲーム業界すべての売り上げが上がります。

 

そうすれば、たくさんの企業が助かるのです。

 

言葉にするとカンタンですが、この新しい市場の開拓というのは本当に難しいことです。ですが、この問題に何度も挑み、解決してきたのが任天堂です。

 

そろそろ三千字を越えてきて、記事が長くなってきたので、任天堂のすごさがわかるおすすめ書籍を紹介します。

 

正直、全部読まなくていいので、サクッと一つ何か気になった本を読めば、そのすごさがわかると思います!

 

ゲームの父「横井軍平」の「枯れた技術の水平思考」という哲学から学ぶ

 

ニンテンドーDSで脳トレなどの学習型ゲームブームを作り出した偉人「岩田聡」から学ぶ

 

では、また次回の記事で!

今後とも、当ブログをよろしくお願いします。